アンラッキーなあたし
「お茶はいいや、自分で入れるから」

「あ、恵梨菜がやります」

すかさず恵梨菜が立ち上がる。あたしは力が抜けてへなへなと座り込んだ。

「ちょっと、桜庭さん。千葉さんに八つ当たりしないでよぉ。自分が契約切られるからってさ」

恵梨菜がそっと耳打ちをした。

「す、すみません」

つい反射的に謝ってしまう自分が悲しい。一部始終を目撃した社員達が、時々あたしのほうをちらちら見ている。

(ああ、桜庭さん、とうとう気がふれちまったか)

そんな、みなの心の声が聞こえてくるようで、あたしはたまらずトイレに駆け込んだ。
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