アンラッキーなあたし
「桜庭さん?」

誰かがあたしを呼んでいる。

ふんだ!お茶も入れなきゃコピーもしませんよ!ついでにステープラーで留めてもやりません!

あたしは髪の毛を振り乱しながら勢いよく顔を上げた。

「な、中田さん?」

すっかり意識の飛んでいたあたしは、不覚にも、目の前に中田さんが立っていたのに気がつかなかった。

「桜庭さん、どうしたんですか?恐い顔して」

「あ、いえ、その…」

その恐い顔で、あなたのことを考えていたのですとは、とても言えない。
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