アンラッキーなあたし
「く、組みます。定期組みます!」

「本当ですか!」

中田さんは嬉しそうに笑い、ありがとうございますと頭を下げた。

「ただ、あたし、もうすぐここの任期終わっちゃうんですよ」

上目遣いに中田さんの反応を伺うと、

「なんだ、そんなこと。個人的に相談にのりますから大丈夫ですよ」

中田さんはそう言い、ポケットから名刺入れを取り出した。

「これ、僕の連絡先です。特別にお教えいたしましょう」

差し出した名刺には、中田さん直筆で電話番号が書かれている。

「いいんですか!?」

「はい、いつでもご連絡ください」

ちょいとみなさん聞きました!?あたし、特別ですって!いつでもご連絡くださいですってよぉおおおお!

あたしは震える手で名刺を受け取ると、そっと胸に抱きしめた。

「じゃ、また」

中田さんは片手を上げると颯爽と去って行った。
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