秘密の相談室 2
「折野さん…あの…うまく言葉に出来ないですけど…亡くなった、息子さんの為にも…前を向いて生きていってください」

吏真が折野さんの傍に行き言葉をかける。
彼女に何が視えたのか、俺には分からない…けど、視えるとしたらたぶんそれは彼の息子だろうと推測するしかできない。

折野さんは「ありがとうございます」と言ってその場をあとにした。




――――****――――――

「これでやっと終わったんだね」

「うん…でもなんか、後味悪いなあ…」

ありあさんと吏真はそんな話をして後ろ出歩いてる俺と蒼汰くんは無言のままだった。

蒼汰くんの言いたいことに、何となく察しがついてしまう。


「家族か…俺はありあん家来るまでは寮生活であそこが火事になって独り暮しを始めたんだよな…」

「……そうなんですね…俺は寮生活も独り暮らしも経験はないけど…どちらも大変ですね」

苦笑混じりにそう返答をした。
心なしか、蒼汰くんも苦笑じみた顔になっている。

そして、別れの時も近づいた。
< 112 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop