秘密の相談室 2
彼女は、今何を考え何を感じているのだろう?
目の前には、妹と名乗る女。
動揺は、隠せないと思うんだが…ちらりと、吏真を見やる。
すると、考えが纏まったのか彼女は桃井に話しかけた。


「春海…さん…」

「はい!何でしょう?」


吏真の呼び掛けに、キラキラの笑顔。
桃井のその表情を捉え、吏真は話を続ける。


「あたしは…貴女の言う家に帰る気はありません」

「えっ…ど…どうして!?
私たち姉妹でしょ!?……どうしてそんな事言えるの?」


目に涙を溜める桃井とは、裏腹に吏真はとてつもなく冷たい目をしている。


「春海さん、それは貴女の考えですよね?」

「そうよ?……でも、お母さんだって吏真姉さんを施設に預けたこと、後悔しているわ…」

「それも、春海さんの独断と偏見であって、母は何も言ってないよね?
仮に母が、後悔しているとしらた貴女だけを迎えに行かせないはず」

「…………っ…」

「それに、私にはもう居場所があるんです」


俺を見る吏真の瞳-メ-と表情は、先程よりも優しく感じられた。
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