貴方の為に流した血
入城
どれくらい馬車に揺られていただろう。
かれこれ五時間くらいかな。
「ほら、目の前が城じゃ。ここからは自分で行くんだぞ…」
おじいさんに呼ばれて、馬車から降りると…
高く高く、そびえ立つ立派な城があった。
「…シャロン様には話をつけてあるらしい。そのまま城へ向かうといい」
「おじいさん、ありがとうございました…さようなら」
「…また会えるといいな。…私の名前は商人のリルだ。覚えておいてくれ」
リルさん。
しっかりと覚えておかなくちゃ。
「私は、カレンです…本当にありがとうございました。では、さようなら」
リルさんと別れて、城に向かった。