貴方の為に流した血


「カレン、今日は休め。何かあったら隣の部屋に来い」


キルトはマントをひるがえして私の側を離れようとする。


「やだ…っ行かないで」


私は反射的にキルトのマントを掴んでいた。



「…カレン?」


「…怖いの…嫌な夢を見てしまったから…」



必死に背の高いキルトを見上げる。



「その目、やめろ…っ」



いつもは冷静なキルトも、今は動揺しているみたい。











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