貴方の為に流した血
「会議の時にも上の空で…父上と母上も心配しているんだ」
「なるほど…」
「それで、貴女なら何か知っているかなと思いまして」
「…」
さすがに、押し倒されてから変になったなんて言えない。
弟さんだし…
「あ、えと…私は特に何も…」
「…そうですか。では、ありがとうございました」
そう言って立ち上がるレニー王子。
「あっ…レニー王子!」
キルトによく似た背中を呼び止める。
「キルトは…人に言えないこととかで悩んでるかもしれないので、相談に乗ってあげて下さいね…」