携帯小説～誰かのための予言～

「ちょっと待って」

我慢できなかった。

だから、私は二人の間に口を挟んだ。




「アユミさんとアサコの関係はよくわかったわ。でも、だからといって、香坂先生を殺していいの？　殺さないまでにしてもシュンスケ先輩とナオミ先輩にもけがをさせたんだし。そんなこと許されない」



「ナニイッテルノ？」



アユミは大きく見開いた目で私をにらみつけた。

金色の瞳はぎらぎらと輝き、目を合わせるだけでも気分が悪くなる。



「コウサカセンセイハ　ヒドイヒトダヨ。イヌヤ　ネコヲ、ギャクタイシテタ」


「そんな…」



それで、香坂先生を犬の首輪で絞めて、首吊りさせたんだ。

あの体育倉庫での光景が蘇る。

ひどい…ひどいよ。

何も殺さなくたって。




「ナオミサントハ、チュウガクノ　バスケノ　タイカイデ　イチド　アッタ。アノヒト、コウイシツデ、ウチノ　ガッコウノ　ユニフォームヲ、ハサミデ　キリキザンデイタ。シュンスケサンヲ、ケガサセタノハ、ナオミサンヲ、カナシマセルタメ」


「嘘…」



だからか…。

アユミの写真を見たときどこかで会ったって思った。

きっとバスケの大会で一緒だったんだ。



でも、ナオミ先輩がそんなことするなんてやっぱり信じられない。



「じゃあ、早田くんは？　シュンスケ先輩は？」


「ハヤタト　シュンスケハ、ケイタイデ　オンナノコノ　スカートノナカ　カクシドリ　シテタ。ワルイヤツラ」


「嘘？！」



二人ともそんな人じゃない…のに。





「ハナサンテ、オメデタイ　ヒト。ヒトヲ　ウタガワナインダ。ミンナ　カゲデ　ナニシテルカナンテ　シレタモンジャナイ。バレナキャ、イイヒトッテ　コト？」





アユミには私の心の中が見えるのだろうか。

アユミは嘲り、

そして私をで蔑むかのようにそう吐き捨てた。