携帯小説~誰かのための予言~
『富士山の裾野の樹海で女子中学生の遺体を発見。C県C市の川崎アユミさんと判明した。川崎さんは2年前、家出人捜索願いが出たまま、行方がわからなくなっていた。当時川崎さんは中学2年生…』



アユミさんの遺体、見つかったんだ…。




「ど、どうしたの? ハナ!!」


私は、涙が溢れてきてどうしようもなかった。

樹海で誰にも見つけてもらえないまま、何年もの間、ひとりぼっちでいたアユミ。

二人が忘れてしまったことは幸せなことだが、アユミの胸の痛みを知ってしまっただけに私は悲しくて仕方なかった。





「ごめん、ハナ。笑いすぎた」


「ごめんね、ハナ。泣かないで」




心配して私の顔を覗き込むワカナとアサコ。







私にはこんなふうにしてくれる友達がいる。



私は幸せだなって思う。



アユミにも友達がいればこんなことにはならなかっただろう。






「ありがとう。ワカナ、アサコ」


私は心からそう伝えた。
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