携帯小説~誰かのための予言~
「不思議なんだよね。このガラス玉を手にもつと、胸がきゅんとなるんだ。どうしてだろう?」




どうしてってさ、アサコ。

それはアサコと本当の友達になりたかった子の涙なんだよ。




アサコはこの前のこと全く覚えていないって思ってたけど、そうでもないのかもしれない。




だって、アサコの心はアユミのことちゃんと覚えているんだもの。

だからさ、胸がきゅんとなるんだよ。




「アサコ、そのガラス玉、大事にしないといけないよ」



それだけは伝えたかった。

アユミの心の証だから。



アサコは黙ってうなずいていた。

ガラス玉を愛しそうに撫でながら。
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