携帯小説～誰かのための予言～

「これ…？」

その記事は地方ニュースに大きく取り上げられていた。



『3月30日、C市立C中学1年生の山木トモさんが校舎屋上から転落した。山木さんは病院に運ばれたが、その翌日死亡が確認された。死因は外傷性ショック死。関係者によると山木さんはまじめでおとなしい性格。遺書は確認されていないが、自殺する原因も見当たらないという…』

中学校らしき建物の写真と、小さく円で囲まれた中に山木トモの顔が写っていた。

「この子が、山木トモ…」

まだあどけないショートカットの少女が静かに微笑んでいる。


記事には取り立てて目新しい情報は載っていなかった。


私は、山木トモの家を直接たずねることにした。