携帯小説~誰かのための予言~
山木トモの家は意外にもすぐに見つけることができた。

制服姿の私が「トモさんにお線香をあげたい」と伝えると、近所の人が快く教えてくれた。

嘘ではない。

私は供養の気持ちも込めて、トモの仏壇に線香をあげたいと本気で考えていた。



「ここがトモの家か…」

山木トモの家は中学校の裏手の小高い丘の上にあった。

小奇麗な二階建ての一軒家で、表札には「山木」と書かれてある。

門のところのインターホンを押す。



――ピンポーン。



「はい」

トモの母親だろうか。

女性の声がする。

「あ…あの、私、菅野ハナと言います。トモさんにお線香をあげたくてまいりました」

相手はかたくなだった。

「結構です。そういうのはすべてお断りしていますから」

そう言って一方的に切ってしまった。
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