携帯小説~誰かのための予言~
でも、これが最後のチャンスだ。

ここで山木トモのことを聞けなかったら、もうほかに手づるはないはずだ。

そう思って私は必死にくらいついた。



「困るんです。そういうの。みんな興味本位で」

少女は小さくつぶやいた。

唇をかみ締め、私から目をそむけて。

「気を悪くされたらごめんなさい。私、どうしても山木トモさんのことを調べないといけなくて。お願いします。少しでいいから教えてください」

少女は呆れたような顔で私を一瞥すると背中を向け、家の方に歩き始めた。


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