携帯小説~誰かのための予言~
「これって…」


そう言ってワカナは黙ってしまった。

食い入るように携帯の画面を見つめ、

『誰かのための予言』を読んでいる。




私は気がついた。


ワカナの手が震えていることに。




「ワカナ?」


ワカナは目を潤ませている。



「ハナ、これってシュンスケ先輩のことかな…」


ワカナの顔はすっかり青ざめてしまっていた。



「まさか…!?」


「うちのサッカー部のキャプテンてシュンスケ先輩なんだよ…」




ワカナが片思いしている人が、まさかこのシュンスケさんなの?



違う、違う。

きっと何かの偶然よ。

シュンスケなんて名前よくあるし。





気がつけば、私の手もがくがくと震えていた。
< 16 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop