携帯小説~誰かのための予言~
深夜の学校。

漆黒の闇の中、小さな靴音だけが響いている。

彼女の名前は、山木トモ。

トモは何かにとりつかれるかのように、階段を一歩一歩上がり、鍵がかかっていて絶対に開かないはずのドアの前に立つ。

この向こうは屋上。

普段なら絶対に出ることができない。

しかし、彼女がその手をドアノブに触れると

「カチャッ」

小さな音とともに鍵が開いた。

トモはためらいもせず、そのドアを開け、屋上に足を踏み入れた。

どうしてだろう。

彼女はフェンスを乗り越え、上履きを脱ぎ、行儀よくそろえた。

そして、そのまま闇の中へ消えてしまった。
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