携帯小説~誰かのための予言~
私は必死でその声の方に駆け寄った。




棺の横には血だらけになっている制服姿の女の子が倒れていた。





「お母さん…置いていか…ないで…」





――ミサだった。








ミサはどんなに冷たくされても、母親を慕っていた。



赤ん坊の頃、実の母親を病気で亡くしたミサは、母という存在に思い焦がれていたのだ。



だから父親が再婚したことも心から喜んだ。



やっとお母さんができるんだって。



しかし現実は夢とは遠くかけ離れたものだった。



それでも、ミサは母を慕い続けた。
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