携帯小説~誰かのための予言~
「かわいそうに、後追い自殺ね」

「自分の喉をあの牛刀で一突きしたんですってよ」




野次馬たちの声に見送られながら、私は葬儀場をあとにした。




どうしようもない無力感に襲われたまま、ただ一歩一歩歩みを進めた。





マサエの気持ち、

トモの気持ち、

ミサの気持ち。




三人の心が見えない糸でぐちゃぐちゃに絡まりあい、ついにほどけないまま終わってしまった。



罪はいったいどこにあるのだろう。
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