携帯小説~誰かのための予言~
1 誰かのための予言
「ねえ、ハナ。これ見てよ、面白いからさ~」


幼馴染の相原ワカナは、同じ高校に通っている。

電車で3駅分の通学時間、いつもワカナと一緒だ。



ワカナは携帯画面をこちらに向けた。


「携帯小説ザクロって知ってる?」

「ううん。知らない」

「最近始まったばかりのサイトなんだけどさ、結構面白い作家が揃ってるんだよね」

「ふーん」






携帯小説ザクロだなんて初めて聞いた。

後発組の携帯小説サイトだろうか。

クラスの友達はみんな携帯小説に夢中になっていたけれど、私は興味がない。

みんなの気持ちがちっとも理解できない。

だから、ワカナに教えられても特に何とも思わなかった。
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