携帯小説~誰かのための予言~
「これなんですよ」


本当はあの小説を開くのはいやだったけど、今はナオミ先輩も一緒。

先輩がいれば大丈夫のような気がする。



「あれ? おかしい…」


確かに『誰かのための予言』はある。

でも、『シュンスケさん』という章は消えていた。


「嘘。この前は確かにあったのに…」


ワカナも身を乗り出して、スクロールしたけれど『シュンスケさん』の章は出てこなかった。

消されてしまったのだろうか。


「本当なんです。先輩、確かここにあったんです」


「わかってるよ。二人が嘘つくような子じゃないって私知ってるから」



ナオミ先輩はまた大人の笑顔で私たちを勇気付けてくれた。
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