携帯小説~誰かのための予言~
その日の帰り、昇降口でカエラに会った。
ちょうど他には誰もいなかった。
私とカエラ二人きり。
「ねえ、カエラ。ナオミ先輩に呼び出されたって本当?」
「やだ、もう5人目だよ。そのこと聞かれたの」
「えーそうなの? ごめんね」
「いいよ。別に、本当のことだし」
カエラは口を尖らせる。
「なんかさ、あの先輩勘違いしてると思うんだよね」
「勘違い?」
「そうだよ。確かに私シュンスケ先輩のこと大好きだけど、携帯小説なんて書いたことなんかないしさ…」
「ナオミ先輩そんなこと言ったんだ」
「そうだよ。『カエラ、やっていいことと悪いことがあるでしょ。携帯小説書いて嫌がらせするなんて最低よ!』っていきなり言われてさ」
「違うって言ったの?」
「言ったよ。本当に違うからさ。でも先輩、聞く耳持たないんだよね。すごいヒステリックだったし、最後のほうなんて私あきらめちゃったもん。濡れ衣着せられているようで気分はよくないけど、ナオミ先輩思い込んじゃってるからね」
カエラは外人のように肩をすくめてみせた。
ちょうど他には誰もいなかった。
私とカエラ二人きり。
「ねえ、カエラ。ナオミ先輩に呼び出されたって本当?」
「やだ、もう5人目だよ。そのこと聞かれたの」
「えーそうなの? ごめんね」
「いいよ。別に、本当のことだし」
カエラは口を尖らせる。
「なんかさ、あの先輩勘違いしてると思うんだよね」
「勘違い?」
「そうだよ。確かに私シュンスケ先輩のこと大好きだけど、携帯小説なんて書いたことなんかないしさ…」
「ナオミ先輩そんなこと言ったんだ」
「そうだよ。『カエラ、やっていいことと悪いことがあるでしょ。携帯小説書いて嫌がらせするなんて最低よ!』っていきなり言われてさ」
「違うって言ったの?」
「言ったよ。本当に違うからさ。でも先輩、聞く耳持たないんだよね。すごいヒステリックだったし、最後のほうなんて私あきらめちゃったもん。濡れ衣着せられているようで気分はよくないけど、ナオミ先輩思い込んじゃってるからね」
カエラは外人のように肩をすくめてみせた。