TABOO ⅩⅠ~解けていく魔法~
隣の部屋からバサバサッと何かが落ちる音がして、慌てて立ち上がろうとすると、
「余裕」
すぐにいつもの声が聞こえ、安心してまた座り直した。
時計に目をやると、書庫の整理をお願いしてから1時間が経っていることに気付く。
休憩においしいコーヒーを淹れてあげよう。
用意しようと立ち上がった時。
ノックとともに入ってきた彼を見て、反射的に後ろを振り返った。
せめてドアが閉まっていれば良かったのに…