TABOO ⅩⅠ~解けていく魔法~


隣の部屋のことばかり気にしていたあたしは、ようやく意識を戻し、固い表情を浮かべてドアの前で立ち尽くしている彼に目を向けた。


「…どうしたの?」


いつもと違う様子に首を傾げながら、小さな声で問い掛けると、


「今校長に言われた。異動のこと」


「え…?」


突然の話に驚いていると、彼が「結衣」とあたしの名前を呼んだ。


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