丹後の国のすばる星
お疲れ皇子さま
数日して、島子のもとを訪れた吉備津彦は、弓矢が自害したことを告げた。
「オレは弓矢が温羅だと聞いて、心底驚いた。よもや楽々森彦がさらった温羅の娘とは」
「皇子さまは弓矢さんを嫌いだったの」
「ばか。そんなわけ、なかろうが。愛していたさ…」
両手で顔を隠し、疲弊した様子だった。
「皇子さま、少しお休みを」
島子は枕を持ってきて吉備津彦に差し出した。
「あいすまぬ。ではしばし休ませてもらおう」
少々むくみを帯びた瞼は、隈を生み出してもいた。
「そうとう疲れてるのね」
「寝かせておいてあげよう」
「そうね」
「オレは弓矢が温羅だと聞いて、心底驚いた。よもや楽々森彦がさらった温羅の娘とは」
「皇子さまは弓矢さんを嫌いだったの」
「ばか。そんなわけ、なかろうが。愛していたさ…」
両手で顔を隠し、疲弊した様子だった。
「皇子さま、少しお休みを」
島子は枕を持ってきて吉備津彦に差し出した。
「あいすまぬ。ではしばし休ませてもらおう」
少々むくみを帯びた瞼は、隈を生み出してもいた。
「そうとう疲れてるのね」
「寝かせておいてあげよう」
「そうね」