しゃぼん玉【短編】
空 高く
「おかぁさ~ん!!!見てみて~♪♪♪」
昼下がりの公園。
ボクは1人ベンチに座った。
視線の先には
青々とした芝でシャボン玉を飛ばしながら はしゃいでいる子供たちと
それを優しい瞳で見つめる母親。
ボクは
空に飛んでゆくシャボン玉を見ていた。
子供たちは
膨らんで飛んでゆくシャボン玉に夢中。
まるで幻想だったかのように
空でパチンと消えてなくなるシャボン玉など見向きもせずに…───