―Last message―


「気をつけるのよ」




母の目は本気で


我が子を心配する目だった。




「・・・ありがとう」




亮也はそう言うと今度こそ家を飛び出し


駅へと走った。



券売機で急いで切符を買い、


ホームへ行くとちょうど電車が来ていた。



亮也の住んでいるところから


彩華の住んでいるところまでは5駅。



その時間が亮也にはとてつもなく


長く感じた。



電車に揺られながら亮也は


今朝の夢を思い出していた。


< 42 / 76 >

この作品をシェア

pagetop