―Last message―
病院までは徒歩で30分ほど。
その距離をずっと走るのはキツかった。
彩華と同じテニス部である亮也は
冬の間雪のせいでずっと
部活をしていなかったのだ。
亮也はこのときほど自分の運動不足を
うらんだことはない。
それでも足を動かすのを
止めなかった。
重い足で走り続け
やっと病院に着いたときには
亮也の息はすっかりあがっていた。
玄関の前で軽く息を整えてから
受付に向かった。