―Last message―
交通事故にあったところの記憶はないが、
その瞬間のすぐ前までの記憶ならある。
大きな鉄の塊―大型トラックが
自分の目の前に迫っている記憶。
決して気持ちのいい記憶ではない。
それを思い出して彩華は
ぎゅうっと自分の腕で体を抱きしめた。
ここが天界だというのならば
わたしは死んだのだろうか。
そんな彩華の気持ちを読み取ったのか
アーシャは言った。
「彩華さん、あなたはまだ生きていますよ」