―Last message―
中に入るとそこはまるで
霧に覆われているみたいに白く
視界が遮られていた。
まるで雲の中にいるようだった。
彩華が少し不安になり後ろを振り返ると、
レイノは口に人差し指をあてて
首を軽く横に振り、奥のほうを指差した。
きっと黙って先へ進めと
いうことなのだろう。
しかし、不安な彩華はレイノの服の裾を
ぎゅっと握った。
お願いだから一緒に来て。
目でそう訴えた。
するとレイノは仕方ないな、
というふうに軽くため息をついた後、
彩華の手をとって先に進んだ。