ふぁあすとらぶ☆
ファースト・コンタクト
『好きだよ。俺、ノアのこと……』

 そう言って、もらったばかりの卒業証書の筒を、持ち直した珠洲圭吾(すずけいご)君。さらさらヘアの前髪が、陽光に明るく輝き、私の心はどきんと鳴った。だって、小学校ではよく遊んでいたし、中途で越してきた彼をのけ者になんてできなかった私にとって、彼は庇護する対象であり、常に私がリードするべき存在だったからだ。その彼が私を好きだと言ったのだ。その一言に全身包まれて、いやおうなしに世界がばら色に広がった。



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