《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「はあ〜俺だけ、こんなに幸せでいいのかなー」
「へ?」
「幸せすぎてどうにかなりそう」
真澄さんから甘い香りがしている。首筋はキスしたくなるほどに細く、そして白かった。
「……なあ、俺、我慢したよなあ。去年から片思いだった訳だし」
十分我慢した、と思う。
真澄さんの家で押し倒してキスをしたあの日。弾みをつけて……って考えなくもなかった。だが、なしくずしに勢いでいくのはマズイって自分をなんとか制御したんだ。
真澄さんが俺をまっすぐに見上げた。
「片思いって、その間にも合コンとか行ってたでしょう? 誰かと付き合ってたりもしたんじゃないの?」
「それ聞いちゃう?」
「あ、やっぱりいたんだ。彼女」
ショックを受けたんだろうか、目を少しだけ見開く真澄さん。