《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「ったく、危なっかしいなあ。いつもいつもさあ」
真澄さんを元の体勢に戻し、そのまま彼女の腰に手を添えた。


「あのさ!」
俺の胸に両手をおく真澄さん。


「なに」


「シャツ! シャツ返すから」

ドン! と両手で強めに俺は胸を押された。

くそっ、マジかよ。やっぱり、俺、さけられてる?

よろける俺。ぶざまな俺の悲しい考えなんかは、お構いなしに真澄さんは寝室へ向かった。


なんだよ、すごくあからさまに逃げられた感じじゃん。


真澄さんは、俺のこと好きじゃないのかよ?


それとも、一目惚れの割に付き合っていた女がいたことが問題か?


まだ、俺には深く関わりたくないってそういう意味か?



なんにしても……真澄さんの気持ちが良くわからない。

参ったな。
この調子だと今日も俺は、おあずけを食らいそうな流れだ。


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