《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
⑮中川真澄~焦げ臭いほどの恋~
★★★
朝、目が覚めると男物のシャツが寝室の床に散らばっていた。
無論、散らかっていたのはシャツだけじゃないけど。
ベッドの隣には……すやすや眠る三浦くんが……
いなかった。
逃げた! やり逃げよ! やられた。嘘でしょ!
慌てて起き上がってトレーナーの上下をよろけながら急いで着る。
寝室のドアをバーンと開けた。
「おはよう、真澄」
呼び方が真澄さんから急に「真澄」に変わった瞬間だった。
「あ、いたんだ」
キッチンで私のエプロンをつけて、フライパンとフライ返しを手にしている姿もイケメンなら当然似合ってしまう。
キッチンに三浦くんの姿があったことに心から安堵していた。
良かった、逃げられてなかったか。