《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』

既に座っていた4人の男子陣。
別に全員が全員かっこいいとか、イケメンだった訳じゃない。パッと見てわかる。

彼らは、私より間違いなく年下だ。

しかもだよ。1、2、3…4。

あれ? 人数足りなくない? 人数揃えの為に呼ばれた私の立場は?

思わず私は、眉間にしわを寄せた。

合コン会場は、男子陣が予約したらしい。掘りごたつ式になっている長細い個室。私だけかもしれないがハッキリ言って靴を脱ぐのって抵抗がある。出来ればテーブル席が良かった。

部屋は、テーブルだけでほぼいっぱい。人が座ると自然に背中が壁にくっついてしまう。かえって寄りかかれてラクなのかも知れないが……。
合コンの席でラクしたいと考える人は、まずいないだろう。

一度奥まで入って座ってしまうと、トイレに行きたい時とか出入り口の襖まで行くのにかなり苦労しそうな部屋の作りだった。

奥へ入るのだけは、ぜひとも回避したい。

それなのに、美人受付嬢が
「中川(なかがわ)さん、先輩ですから奥へどうぞ」と笑顔で私を促す。

「先輩だからっていいの! 今日は末席で。ほら、私は身の程知ってるし」


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