《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
三浦の顔をみると昨日、私が殴った左頬の色が変わって少し腫れていた。
思わず笑みがこぼれてしまう。人の怪我を見て通常は笑わないが三浦については、私に笑う権利がある。
私は、昨夜酷く傷つけられたのだから。
あーー、あんなに腫れて。顔が命のイケメンが台無し。くくっ、ざまあみろ。
あんたみたいな鼻持ちならない奴は少し、その高い鼻をへし折ってやらないとね。少しくらい低い鼻の方が愛嬌があってもてるかもよ。
ちょっとぉ、腹の底から沸き起こる笑いをこらえるのが大変なんですけどぉ。
五目焼きそばを手にしたまま三浦は、顎を上げ偉そうに、見くだすかのように私を見おろす。
「あんたさ、昨日の合コンメンバーになんか俺の事言ったろ?」
まただよ。誰も彼もあんたの事をいつでも話題にすると思うの? アホくさ。自意識過剰じゃないの? あんたの事なんかさ、誰も……
「あ」
言った。言っちゃったか。
万里に話した。正確には、他の人もお耳をダンボにして聞いていた。
確かに三浦と合コンをふたりで抜けた後、いく所までいったとか。
結構、よくみるとそうイケメンでもなかったしあっちの方も普通だった。
私にしたら、そう大したことを言ったわけじゃない。改めて掘り下げる話でもないと思う。