《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
せっかくの休日なのに洗濯して掃除して
なんだかわびしいな。
わびしいと思うから、わびしいのか。はたまた、本当にわびしいのか……。
なんの約束もないなんてね。
寒いし、お金もないし、行くあてもないし、無い無いづくしで虚しい限りだ。
ズズズッ……。
ミルクティーの温度は高い方がいい。
ぬるいミルクティーなんか、どっち付かずの中途半端なトマトラーメンみたいだ。パスタなんだかラーメンなんだか、わからないシロモノ。
初めてトマトラーメンという食べものを京急川崎駅に近い場所で見かけた時は、凄く驚いたものだ。驚いただけで未だに挑戦出来ないでいる。通るたびに気にはなる。だが、勇気が出ないでいる。
トマトもラーメンも好きだ。合わせたら美味しいだろうか?
ミルクも紅茶も好きだ。合わせたら美味しい飲み物になった。だとすると、トマトラーメンは美味しいのかもしれない。
美味しいにしても温度は大切だ。ミルクティーは熱いか冷たいか、どっちかにすべき飲み物だ。
そんなどうでもいいことを画面に映るグラビアアイドルを見ながら考えていた時、スマホが鳴った。
画面には『けち男』と表示されていた。
うわっ! まじでか。
画面をじっと見ていたら、しばらくやかましく鳴り続けるスマホが『みてねーでさっさと出ろよ』とムッとしながら言っている気がしてきた。
あまりにやかましいので、仕方なくムッとしながら「はい」と出てみた。