《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「少し落ち着けよ。みっともねえ」
カチン!
あーやだ! もう無理!
食べてる途中だったが仕方がない。
立ち上がって三浦に背を向け、トレーを持ち出口へと向かった。
「……ん、あ! ちょ、ちょっと待て!」
後ろから、三浦のやけに慌てた声が聞こえた気がした。
完全に無視して店を出たとき、後ろから追って来た三浦が私の肩に手をかけてきた。
え? なに?
密着するくらい私の背中近くに来たかと思うと「いいか? 少しだけ動くなよ」そう耳元で言った。
まるで銃でも突きつけられたように、私は驚いて身動き出来なくなっていた。