《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
がくんと揺れる電車。

「じゃあ、お好きにどうぞ」
傾いた時に三浦が私の腰から手を放した。

揺れた時に手を離すの!
あー!! なんてひどい奴!

そう思いながら電車の揺れで器用に片足が上がったとき、つり革をつかんでない方の手を三浦がつかまえてくれた。


「ほら、迷惑」


「わざとじゃないし」

三浦の隣で今度は手をつかまれたまま萎縮していた。

いつもならひとりでも全然大丈夫なのに。

こんなに電車が揺れないし。電車の運転手が今日は新米なんじゃない?

それにしても……。

掴まれた手に意識が集中していた。

ごくりと生唾を飲み込み、ちらっと三浦を窺う。


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