冷たい手
 「なぁ、熱下げたいならヤッてやろうか」
 
 何の抑揚もつけずに放たれた言葉に、心臓がドクンと飛び跳ねる。心の中では、バカじゃないの? ってツッコんでるのに、言葉にならないまま意識が途切れた。

 どれくらい時間がたったのだろうか。気づいたら夜明け前。横に視線を向けると隣の家の……否、この家の主である男。
 私が目覚めたのを察したのか、体を少し起こして蠱惑的な笑みを浮かべて口を開く。
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