―異世界物語―
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煌びやかな装飾、大きな玉座のある広い広間に4つの影と、玉座に堂々と座る青年が一人。
「…作戦は、進んでんのか?」
低く、しかし透る声が、しんと静まっていた空間に響く。
そしてその声に反応した一つの影がその質問に答える。
「はっ!すでに種は撒いており、着実に作戦は進んでいるかと」
その言葉に青年はニヤリと笑う。
しかしその言葉に不満を持ったのだろう。違う影が玉座の背もたれの上に座り、足をバタつかせる。
「妾はもっと早くしてもよいと思うぞ!暇すぎてつまらぬ!」
その影に青年は玉座の背もたれに座るなと少し睨みをきかせながら、
しかし口元は笑みを絶やさずに言う。
「これでいいんだよ、早くしてもつまらねぇだろーが…じわじわ…じわじわと!!侵食させんのがおもしれぇのさ…ククククク…」
その台詞に乗るかのように二つの影が言う。
「そうよ!この面白さがわからないなんてやっぱりびーびーえー(BBA)ねっ!」
「そっそうだそうだ!えと…びーびーえー…?だ!」
その発言は禁句だったのであろう。BBAと言われた影は体を震わせ顔を真っ赤にしながら激怒する。
「ううううううるさいぞ!そこのお子2人!妾はば…ババアではないぞ!ピッチピチの美少女じゃ!!!!!」
「ピッチピチの美少女って古過ぎにもほどがあるわ!あははは!」
発言の内容の古さに笑っている一つの影に、もう一つの影がおどおどと近づく。
「そ…そこまでにしようよ…怒ってるし…」
そう一つの影が言えば遠くから見守っていた影が間に入り止めに来る。
「そうだ、2人とも静かにな」
「「はーい」」
元気に返事をする二つの影を忌々しげにみつつ、青年のそばに駆け込む。
「のう、妾たちを呼んだ意味をそろそろ教えてくれぬか?」