―異世界物語―
「あ。木の棒ねぇかな....?」

さすがに四つん這いは引かれるだろう。
だけど立つにはまだ腰が痛く無理がある。

「棒....棒....」

辺りを見渡すが中途半端な長さのものしかない。

ザッザッザッ....

「これはー....微妙だな....」

手にした微妙な長さの気の棒を無造作に投げた。そのときだった。

「きゃっ....!」

「!」

俺の投げた木の棒は、いつの間にいたのだろう見知らぬ少女の近くに落ちた。

「あっと、すみません!っつぐああ....っ!!!!」

急いで少女のいる方に向き直ったのはよかったのだが、そのせいで腰が先ほど以上に悲鳴をあげた。

「あ、いえ....って大丈夫ですか!?」

少女はあたふたと慌てながらも俺に近寄る。そして肩から下げていた可愛らしい鞄をガサゴソと漁れば訝しげな薬を取り出していた。

「っ~・・・って待って待って大丈夫なので!ほんと!時間たてば自然回復するんで!!その訝しげ・・・じゃなくて、薬はしまってください!!おねがいします!!!」


しかし俺の必死の願いは空しくも、見た目とは裏腹に予想以上の力で服をめくられ、その訝しげな薬をたっぷりとぬられてしまった。

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