―異世界物語―

「これでよし…あっごめんなさい私ったら…でもすぐに回復すると思いますので…!」

少女は申し訳なさそうに俺を見ながら優しく服を元に戻し、訝しげな薬を鞄の中にしまい込んだ。

そしてまもなく、あれほど痛みを感じていた腰痛は驚くほど突然に、ぴたりと痛みがなくなった。俺はゆっくりと立ち上がってジャンプしたり腰を曲げたりしたが、まったく痛みがなかった。

「おお!!すげえ!全然痛みがねえ!なんだこれ!」

「よかった…!思ったよりも早く回復できたみたいで…!」

「あぁ!ありがとうございます!おかげでもう元気ハツラツですわ!」

安心したように微笑む少女にお礼を言ったところで、改めて少女の姿を確認した。
ふわりとカールした髪の毛に印象的な四葉の髪飾り。シンプルなふんわりワンピースはお淑やかで尚且つ可愛らしい印象がもてる。そしてくっきりとした二重のオレンジ色の瞳が俺をまっすぐ見つめていた。

「いえいえ…それにしても、町の方、ではないですよね…?どなたでしょうか?どうしてこんな山奥に…?」

その言葉に俺は、少女と出会い腰痛が治った喜びで忘れていたとてつもない重大なことを思い出した。
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