―異世界物語―
~平和を司る大陸~
一人の少女は、壁に寄り添い
頭を抱えながら呟く。
「…違う…なにか…なにかがおかしい………」
~戦争を司る大陸~
幾つもの戦機が行き来する場所で、人間兵器として作られた一人の少年は、戦場で舞を踊る。
「アハハハハハハ!!!!てめぇらの力で俺様が倒れるはずねぇだろうがよぉぉぉ!!!!」
~元素を司る大陸~
一人の可愛らしい女の子は
その膨大なる力を持つ者として園から離れた小さな森に幽閉されていた。
「私は……こんな力…いらない……」
~愛を司る大陸~
一人の女性が、薔薇園でたった一人、妖艶な笑みを浮かべながら薔薇を愛でる。
「うふふ……早く訪れてこないかしら…私の婚約者…」
~友情を司る大陸~
一人の青年が、何もない空き地に立ち、なにかに苛立ちを覚えるように拳を作る。
「俺は……友情なんて信じねぇ………」
~神を司る大陸~
玉座に堂々とすわり足を組む一人の青年。
歪な笑いをし、その声は辺り一面に響き渡る。
「くくくくく……アハハハハハハ!!アハハハハハハ!!!!!」
そして一変したように突如自分の手で体を抱きしめ震えた声で呟く。
「やめろ…お願い…だから…止めてくれ……………………」