憧れ~大切な君へ~
そこへ目を真っ赤にした母さんと見知らぬ女の人が入って来た。
女の人は入って来るなり兄ちゃんにすがり付いて泣き出した。
『涼!何で置いてくの?ずっと一緒に居るって言ったじゃん!!涼…戻って来てよ!!!』
女の人は兄ちゃんに向かって話しかけた。
きっと
この人は兄ちゃんの彼女なんだろうな…



兄ちゃん帰って来いよ!
兄ちゃんは彼女の事大好きだっただろ!?
兄ちゃんの彼女が悲しんでんだよ!?
大好きな人を悲しませるなよ!
早く帰って来いよ!
本当に帰って来てくれよ…

俺はその時初めて兄ちゃんの死を実感した。

同時に涙が俺の頬を伝って落ちていった。

俺は冷たい訳じゃないんだ。
兄ちゃんの死を受け入れたくなかっただけなんだ…
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