高のち飛車、ときどき猫

『姉ちゃんおかえり、あっ! シンちゃんいらっしゃい』


『なんじゃぁ〜その箱は〜?』


途端に投げ掛けられる獄卒達の声。


どうなるんだオレ達というかオレ?


『お邪魔します』


『もう大変だったよ』


獄卒達で審議だ。オレ達の行き先を。


女と男の手により、オレ達の躰は持ち上げられ、アルカトラズから移送される。


裁判の席へと――


見知らぬ獄土に、流石に能天気な兄弟達も言葉が出らず震えていた。


だから言ったろうに……。いや言ってないがもう遅い。


『わぁ仔猫じゃん! 拾ってきたの?』


最初の男よりは幾分か若い、しかし少年にしては肥満気味の男がオレ達に興味津々な瞳を向けていた。


『そうよ。はいサトちゃん、取り敢えずミルク温めてきて』


すぐに直感した。間柄からこの二人は姉弟だろう。


地獄少女ならぬ地獄兄弟か。


姉の方は痩せてるのに、弟とのアンバランスな構図にオレは失笑を隠せない。
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