高のち飛車、ときどき猫
此所が何処かは知らないが、凍てつく様な寒さから外である事は間違いない。
四方を囲まれたダンボール内部がまた、此所からの脱出不可能を意味していた。
まあ出れたとしても、今のオレ達に生きていく術は無いがね……。
「お腹空いたね……」
「ママのおっぱいが飲みたいよ……」
兄弟達の鳴き声がより一層激しくなってきた。
うるさいな、泣き言ぶちまけたところで、状況は何も変わらないだろ?
オレはもうとっくに諦めていた。
生まれたのも捨てられたのも“運が悪かった”だけだ。