高のち飛車、ときどき猫

「またママに会えるんだね?」


こいつはオレ達の中で一番小さく、甘えん坊だ。要は餓鬼なんだが、母親に再会出来ると思ったのか、急に声に元気が戻っていた。


「うんアタシ達、きっとまた帰れるのよ!」


おめでたいな。あまり無責任な事言わない方がいいし、期待しない方がいい。


あいつが戻ってくる訳が無い。


仮に戻ってきたと仮定しよう。


一度はオレ達を身勝手な理由で捨てた身だ。


そんな奴、信用ならねえな。


また難癖付けて捨てられるのが関の山だ。
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