高のち飛車、ときどき猫
『まだこんなに小さいのに可哀想……』
人間は雌の事を女って言うんだったな。女はいかにも“悲しそう”な作り物の声で、そんな馬鹿な事を言っている。
哀れみなんて御免だ。同情なんて腹の足しにもならない。
哀れむだけで、自分がさも悲しい境遇にあったみたいに重ね合わせ、自分に酔って悦に入る偽善者共め。
偽善ぶる位なら、最初からスルーする方がよっぽどまともだ。
人間なら人間らしくしとけ。
ああそうか、だから人間って始末に負えないんだな。
自分勝手過ぎて――