無愛想な彼に恋しました



「ほんと初原って単純」


予想していたと言うかのように勝ち誇った顔を見せる、荒城君が消毒液を足に付ける。


「荒城君が!」


「はいはい。人のせいにしない」


「人のせいって……」


むーっと頬を膨らませている私をみると荒城君はふは、と噴き出す。


きゅーっと、胸が締め付けられて荒城君の顔を直視できない。


思わず視線をそらす。


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