無愛想な彼に恋しました


私は意を決して忘れたことを正直に名乗り出ようと席を立とうとした時だった


「待って」


そう言って私の肩を押して席に座らせたのは


隣りの荒城君だった。


「荒城君……?」


座らされた事の理由が分からなくて困惑している私に対して、荒城君は自分の席を立った。


もちろん、先生や皆の視線は荒城君へと向けられた。


「荒城、どうしたんだ?」


「教科書を忘れました」


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